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夕日が半分沈みかけたころ、いつもの帰路に着いた。 「…」 何だろう、沈黙が続き過ぎてまた僕は何か怒らせるようなことしたかな… 彼女はいつも表情をあんまり変えないから何を思ってるのか本当に分からない。 そうして思い当たる節を考えていると不意に声をかけられた。 「ねえ」 「っ!!な、なに?」 「何をそんなにうろたえてるの? あなたは別に私の気に障るようなことはしてないはずよ」 また心を… なんでいつも読まれてるんだよ… 「知ってた? 『心を読む』って漢字だけにすると しんどくって読めるじゃない。 だから相手がしんどくなってるほど心を読みやすくなるのよ」 「へえーそうなんだ」 「まあ冗談はさておき」 冗談かよ! 「ねえ、直江君 あなたはこの町の噂信じてる?」 「海の上に城に続く道が出来てたどり着くと願いが叶うとかどうとかっていう噂かぁ… どうだろう、実際行ったことある人は1人もいないって聞くし でもあってほしいとは思う。 なんかロマンがあってさ」 「そう」 彼女は微かだが笑っていた。 逆光でよくは見えなかったが口角が少し上がってるのが分かった。
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