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お若いのに囲碁をなさるんですね。
ええ子供の頃父にならいまして。
ではこれではどうですかな。
「……」あ…そこは…
私は少し考えこむ、どう考えてもこの先碁石をなんて先読みして打ってもこの碁はもう詰んでいるからだ。
「参りました」
いや…こちらこそいい勝負をさせてもらいました
と先ほどあったばかりのこの老人は山に見せられた独りであった。
山には年間何回か登るそうで、先程あったばかりだと言うのにもう何年もお付き合いをしているようだった。
《外は雪のようですな~》
「ええ…奇麗な雪です」
《今日は冷えこみますぞ。明日の登山の為に早く寝ますか?》
「ええ…そうしましょう?」
と2人はたわいもない会話をしていると外の方でなにやら人の声がした。
[ 助けて、助けて ]
と何回か、外で声が聞こえた…
ある男が声を上げた…
「遭難者か?」
山小屋の中にいた数人の登山客が山小屋扉を開き外を見渡す。
外は吹雪がすごい勢いで吹雪何か得体の知れない物が
私達を導いているようにも見えた。
やがて外からまた声がする?
「助けて、助けて」なんとも冷ややかな声でその声からは生気さえきえかかっていた。
登山者の1人が登山具に見を包み始めた。
「待って下さい、山にいってはいけない、何か嫌な予感がするんです」
と私は数人の登山客の男達を止めようとしたが、男達は私を振り切り山へと向かう……
私は、男達を追いかけ説得を何度も試み、1の男の袖を掴んでいた。
待って下さい、あれは人の声ではない早く山小屋に戻って下さい。
[ 助けて、助けて ]
《 何を入っているんだ…君は…… 》
現に、ああして人が助けを求めて入るじゃないか?
登山者として、遭難したかも知れない人を助けるのは、人の努めじゃないかと
言い私の手を振り払い山へと消えていった。
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