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  真っ暗な廊下を突き進むと シスターの私室に辿り着く。 院で働くシスターは 通いで来る者がほとんどで 住み込みでここにいるのは 今はシスター・ミラだけだ。 微かに灯りの漏れる 扉の前で立ち止まり ニャアと小さく鳴いてみる。 カチャリ 控え目に開く扉の隙間から 遠慮なく部屋へと滑り込む。 いらっしゃい、ムーン。 ハスキーな声に仰ぎ見ると 少し眠そうな目を僕に向け シスター・ミラが微笑んだ。  
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