青木一夜

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始業式の三日前 俺は夜遅くまで友達の家で遊んでいて今帰りなのだがもう11時を過ぎている。 俺は学生だから深夜徘徊で捕まっちゃうな。 しかし今は雨が降ってて傘さしてるから顔が見られないのでそんな心配は無用だが。 しばらく歩いてると帰り道に大きな公園に通りかかるのだが俺はその公園である制服を着た少女が目に映った。 悲しくも公園のベンチに座り、傘をささずに雨に打たれていた。 「どうしたんだ?」 俺は彼女の元に歩み寄り、傘を差し出す。 「え?」 全身ずぶ濡れの彼女は弱々しくゆっくりと顔を上げ、俺の顔を見た。 瞳は涙なのか雨なのか分からないがうるうるとしていて悲しげな表情をしていた。 見た瞬間思った。 ああ、彼女はなんて脆くて壊れやすそうなんだ、って。 実際どうなのかはわからないけど、俺は見た瞬間思った。 「俺が言うのもなんだけどもう11時回ってるから警察に見つかったら深夜徘徊で捕まっちゃうぜ?」 「もうそんな時間なんだ…………」 そう彼女は小さく呟いた。 彼女はいったいいつからここに居たんだろ?
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