薔薇の柩

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酒を売る屋台、娼妓への土産のお菓子や花を売る屋台、一段と明るいのは宝石類やドレスを扱う店先だ クリムゾンはそれらの店を冷やかしながら、ゆっくりと通りを歩く 「あら、レッド!今夜の宿が決まってないならうちにいらっしゃいよ。ニナがお待ちかねよ」 「レッド、たまにはうちにも顔を出してよ」 この街では、身分を隠してレッドと名乗っている。時たま現れて宿を取るこの育ちのよさそうな少年を、色街の女達は弟の様に可愛がっていた
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