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******* 「余裕で着いちゃった」 今は朝の六時四〇分。 集合は、七時。 あたしが校門近くでブラブラしてたら、一台の車が学校に入ってきた。 「....あ」 保健室の先生、矢部だ。 保健室の先生は決まった日に変わり、今回は矢部。 矢部はあたしを見るなり、車から下りてきた。 「.....よぉ」 「......おはよ....ございます」 ペコリと挨拶をして、あたしは矢部を見た。 矢部とは、矢部聡一郎。 あたしの叔父に当たる人。 お父さんの弟みたい。 顔は、似てないけど。 ついでに言うと、イケメン。 髪をきちんと整えて、スーツを着こなせるかっこいいヤツだけど、あたしは苦手だ。 だって―――。 「.....ちょっと乗れや」 クイッと指を車の方に向け、あたしの腕を引く。 「....は?」 何で。 怪訝な表情をしてやると、あたしを見て舌打ちをした。 「....治療だ」 「......」 ほらね。 バレちゃった。
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