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「余裕で着いちゃった」
今は朝の六時四〇分。
集合は、七時。
あたしが校門近くでブラブラしてたら、一台の車が学校に入ってきた。
「....あ」
保健室の先生、矢部だ。
保健室の先生は決まった日に変わり、今回は矢部。
矢部はあたしを見るなり、車から下りてきた。
「.....よぉ」
「......おはよ....ございます」
ペコリと挨拶をして、あたしは矢部を見た。
矢部とは、矢部聡一郎。
あたしの叔父に当たる人。
お父さんの弟みたい。
顔は、似てないけど。
ついでに言うと、イケメン。
髪をきちんと整えて、スーツを着こなせるかっこいいヤツだけど、あたしは苦手だ。
だって―――。
「.....ちょっと乗れや」
クイッと指を車の方に向け、あたしの腕を引く。
「....は?」
何で。
怪訝な表情をしてやると、あたしを見て舌打ちをした。
「....治療だ」
「......」
ほらね。
バレちゃった。
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