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「おはようございます」 午前七時。 あたしは校門の前に立ち生徒達と挨拶を交わす。 「.....あ、おはよ....ございます」 ビックリした男子生徒は、あたしを見た瞬間ヒッと声をあげて、走って昇降口まで逃げていった。 そこまでしなくていいのに......。 ちょっとショックを感じる。 そりゃ......。 今委員会の仕事やってるからってさ....。 「.....あ、乙葉ちゃん....!風紀委員やってるんだ」 今登校してきた菜摘が、ニコって笑いながらあたしに話しかけてくる。 「.....ホントはやりたくないけど。先生がうるさいし.....」 愚痴ることは好きじゃないけど、今日ばかりは仕方がない。 「大丈夫っ!乙葉ちゃんならできるよ.....?」 「....ありがと」 「.....じゃあ、教室でね」 菜摘と別れた後、あたしはまた生徒達の方を向く。 そう。 あたしは風紀委員。 しかも委員長。 ホントはやりたくなかったけど、息抜きも兼ねてあたしは参加した。 まさか、委員長になるとは思わずに......。 「おはようございます」 あたしは機械的に挨拶をする。 これは仕事だし。 前を見たら、服装を着崩している男子生徒。 ホントは怖いけど、仕事だから。 「すみません、ちょっといいですか.....?」 「.....は?」 男子生徒は、怪訝な顔をしてあたしを見る。
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