プロローグ

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いや、手だけではなく、身体全体に感じるビリビリと強烈な殺気。 感知室にある巨大なレーダーが、そのものものしさを感じさせる。 レーダー目一杯に広がる強大な存在感。 一夜は思わず身震いをした。 「…建物の中に居るにも関わらず、ビリビリと強烈な殺気…、…死ぬかもな。」 一夜を見て暁は少し驚いたそぶりを見せたが、また元の表情に戻った。 「お前から『死ぬ』なんて言葉が出るんだな。…でも…、今回は本当に凄いな…。」 言葉ごしに、暁を見ないでも引き攣っているその表情が見える。 確かに一夜は『死ぬ』なんて言う言葉を発しない。勝ち気な一夜にとって、『死ぬ』、『負ける』などと言う言葉は無くとも同然なのだ。 しかし。一夜は本気だった。今回ばかりは一夜も本気でそう思った。 常勝不敗。 千桜 一夜。
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