第15章

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なにも無くなんか、ない。 私には、カズヤの『約束のゆびきり』がある。 果たされる事のない約束だけれど、カズヤの想いが、孤独な私にずっと寄り添っていてくれる。 絶望の暗闇に、微かな光を灯してくれる。 両目の涙を腕で強く擦り、空を見上げた。 春の澄みきった青空に、小さく呟く。 「…カズヤ。私、待ってるから…」 5年でも、10年でも、 …命尽きるまでここで待っているよ。 カズヤの思い出と、『約束のゆびきり』を胸に、 ずっと、 ずっと…… .
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