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ナツの過去から、戻った僕の意識。
閉じていた瞳をゆっくり開けると、腕の中で眠っているナツの顔が視界に入り、涙で滲んでいく。
「…こんな…、こんな事って…」
絞り出した声が震えて、言葉にならない。
ナツが禁忌を犯してまで想った相手が、僕だったなんて。
ー…全てが繋がった。
僕の名前を聞いた時、動揺したナツ。
側にいるとゆびきりをした時、驚き、小さく笑顔を浮かべたナツ。
貝殻をプレゼントした時、堰を切ったように泣いて、感情をさらけ出したナツ。
あの時も、あの時も、
ナツは10年程前の、カズヤ…僕とのやり取りとリンクさせてたんだ。
記憶を失った僕を、ずっと待っていてくれた。
寂しくても、体調を崩しても、ずっとずっと僕を待っていてくれた…。
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