第16章

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…あの時、 貝殻をプレゼントしたら、ナツが泣きながら『好きだ』と言ってくれた後、 ナツが取り乱しながら言った、あの時のナツの言葉…。 『離れる日は必ず来る…。今想い合ったら、離れる時、カズヤを苦しめてしまう…。…カズヤを苦しめるぐらいなら『好きだ』なんて言っちゃいけなかった…。出会わなきゃよかったんだ…』 出会わければ…、 10年前に僕とナツは、本当に出会わなければ良かった…のか…? そしたらナツは、禁忌を犯す事無く、カチュアと一緒に綺麗な海を泳ぎ廻り過ごす事が出来たんだ。 一人、寂しく辛い時間を過ごさなくても済んで、 汚染された海で、命を蝕まれる事も無かった。 僕も普通に学校生活を過ごして、毎日勉強に明け暮れて、 こんな辛くて苦しい想いをしなくても済んで…、 お互い別々に、 幸せに過ごせて…、 .
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