第16章

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「…おはよ。具合、大丈夫?」 ナツの額にかかるダークブラウンの髪をそっと掻き上げ、手のひらをあてた。 ついさっき見た過去の幼いナツが思い出されて、何か変に緊張する。 ナツはまだ朦朧としているのか、ぼんやりと僕の顔を見つめていた。 「…カズヤ」 「何?」 「変な顔」 「………」 ……悪かったね。変な顔で。 ナツが手を伸ばして、僕の目尻辺りをそっと撫でる。 「…泣いたのか?」 「え」 「目、腫れてる…」 「あ…」 ナツの暴言の意味を理解して、慌てて手の甲で目を擦る。 「違うよ。ちょっと目にゴミが入っただけ」 「…そか」 ナツがゆっくりと身体を起こし、 僕の腕の中から離れる。 キョロキョロと辺りを見回して、怪訝そうに呟いた。 「……あれ?……カチュア……てか、私何で寝て……?」 .
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