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カチュアに眠らされていたナツ。
辺りや僕の顔を見ながら首を傾げている。
何でカチュアがいないのか、
何で僕がいるのか、
自分の置かれている状況を理解しようと、記憶を辿っているようだった。
「カチュアならもういないよ」
僕の助言に、ナツが凄い勢いで振り向き、僕の顔を見た。
「…何でオマエがカチュア知って………っ!…まさか…会った…のか?」
「うん」
ナツの表情が強張る。
「カチュアから…何か言われたか?」
「…言われた。ナツが死んじゃうから、ここを離れるよう説得してくれ…って」
ナツの過去の記憶を見た事は、敢えて伏せる。
「……」
ナツは目を閉じ、空を仰いで大きく溜め息を吐いた。
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