第16章

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カチュアに眠らされていたナツ。 辺りや僕の顔を見ながら首を傾げている。 何でカチュアがいないのか、 何で僕がいるのか、 自分の置かれている状況を理解しようと、記憶を辿っているようだった。 「カチュアならもういないよ」 僕の助言に、ナツが凄い勢いで振り向き、僕の顔を見た。 「…何でオマエがカチュア知って………っ!…まさか…会った…のか?」 「うん」 ナツの表情が強張る。 「カチュアから…何か言われたか?」 「…言われた。ナツが死んじゃうから、ここを離れるよう説得してくれ…って」 ナツの過去の記憶を見た事は、敢えて伏せる。 「……」 ナツは目を閉じ、空を仰いで大きく溜め息を吐いた。 .
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