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ナツは僕に背を向け、バツが悪そうに俯く。
…イタズラがバレていじけてる子供みたいだな。
こんな状況なのに、相変わらずなナツの反応が愛しくて、思わずなだめるように声をかけた。
「なあ、ナツ。あのさ…」
「ぜっってーここから離れないからなっ!!」
「……」
…うん。この言葉遣いも相変わらず…。
「…っ!」
急に大きな声を出したせいか、ナツが激しく咳き込んだ。
以前より明らかに渇いた咳が、ナツの顔を辛そうに歪める。
「ナツ!!」
慌ててナツの背中を軽く叩くと、ナツが小さく首を振りながら、声を振り絞った。
「…やだっ…。絶対、離れ、ないっ…」
「……」
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