第16章

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ナツは僕に背を向け、バツが悪そうに俯く。 …イタズラがバレていじけてる子供みたいだな。 こんな状況なのに、相変わらずなナツの反応が愛しくて、思わずなだめるように声をかけた。 「なあ、ナツ。あのさ…」 「ぜっってーここから離れないからなっ!!」 「……」 …うん。この言葉遣いも相変わらず…。 「…っ!」 急に大きな声を出したせいか、ナツが激しく咳き込んだ。 以前より明らかに渇いた咳が、ナツの顔を辛そうに歪める。 「ナツ!!」 慌ててナツの背中を軽く叩くと、ナツが小さく首を振りながら、声を振り絞った。 「…やだっ…。絶対、離れ、ないっ…」 「……」 .
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