第15章

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遠い水平線から燃えるような太陽が、小さく顔を出す。 赤く染まった波が太陽の光を反射して、白くキラキラと光りを放っていた。 「……キレイ」 汚染された海域の、カズヤと出会った岩場。 そこに上がって、朝日をぼんやり見ていた私は、ポツリと呟いていた。 禁忌を犯してしまった私への制裁。 辛くない、怖くないと言ったら嘘になるけど、 今不思議と穏やかな気持ちだった。 この場所に来れば、いつでも思い出の中でカズヤと会える。 そう信じて、私はこの場所に一生身を置く覚悟を決めたから、かな…。 岩場の縁に腰掛け尾びれで海面をかくと、ピリッと小さな痛みが走る。 通常300年は生きる事が出来る人魚。 けれど…ここにいれば、きっと私は何十年も生きる事が出来ないと思う。 …それでもいい。それでも… 「カチュナツ…!」 聞き覚えのある声に呼ばれて、慌てて顔を上げる。 少し離れた海面から顔を出したカチュアが、哀しそうに私を見ていた。 「…カチュア!…なんで…。駄目だ、私なんかと関わったら…!」 カチュアに駆け寄りたい気持ちを抑えて、岩場から身を乗り出す。 カチュアが泣きそうな顔で首を左右に振った。 「カチュナツこそ…駄目よ!…こんな所にずっといたら…いたら…死んでしまうわっ…」 .
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