第15章

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岩場にいる私と、海にいるカチュア。 禁忌を犯した事で生まれた見えない壁が、私達の間に確実に存在していた。 もう一緒に並んで泳ぐ事が出来ない、隣にいる事が出来ない、 話す事だって本当は許されないんだ。 「…私はいいんだ。どうせ死ぬまで一人なら、例え早く死ぬ事になってもここにいたいんだ」 「人間の記憶を消さなきゃいけないんでしょう!?」 カチュアが眉をしかめて、私を見上げる。 私は何だかバツが悪くて、困り顔で笑ってみせた。 「…その話も長から聞いたんだ?」 「ええ。人間の記憶を消したら彼はもうここに来ないわ!カチュナツがこんな所にいる意味なんて無いじゃない!」 「意味はあるよ」 「カチュナツ!」 カチュアが言葉を強めた。 「私と一緒に行きましょ。仲間の目の届かない所に」 思いがけない言葉に驚愕して、目を見開いた。 「何言ってるんだよ!…そんなバカな事出来るかよ!」 .
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