壊れたニセモノ

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キィィ…ン。 キィィ…ン。 二つの甲高い音と共に蟲の骸は幾つかのミタマネに姿を変え、バードのポシェットに吸い込まれた。 ボゥゥ…。 右手に握った剣は今だ赤い炎と燻る音を放つ。 「ふぅ…」 ため息をつき頭上を見上げる。 その遥か上にはドームの天井、人工の空、フェイクスカイが広がっている。 頭上に広がる偽物の空は弱い光で早朝を演出している。本物の朝日も早朝も見たことも無い。ただ知識として知っているだけだ。 特に意味も無く、呆然と見上げる。 一体今まで何度同じように空を見てきただろう? 人工の空は何年経っても変わらない。 変わったのは見上げる自分だけだ。 「いつか…、か…」 独り呟く。
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