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「な、なんだっ…!?」
フェイクスカイを突き破って落ちてきた金属の塊は、子供のころ本で見た300年前に本物の空を駆けたという『バトルシップ』という遺物に似ている。幼少時代の空想好きなバードはその手の本をたくさん読んだ。今フェイクスカイから突き出た部分は恐らく『船首』と呼ばれる部分だろう。
何が起こっているか全く理解できない。25年間生きてきて想像すらしたことがない事態。間違いなく自身の身に危険が迫っているであろう事は理解できる。ただ同時に今までにない程気持ちが高揚している。
「…ド!おいバードッ!!」
アルフの叫び声で我に返る。
そうだ、危険だ!
「わぁってるよ!すぐに降りる!」
突き出た船首から目を離さず答える。
バキバキバキ…! ガッ!
船首のめり込んでいる上部のフェイクスカイがけたたましい音と共にはじけ飛び、向こうから何かが飛び出した。
ブウゥゥ…ン。
鈍い羽音を響かせ、無数の蜂の様な蟲が這い出てきた。その大きさは人間と同じ程度。蜂と呼ぶにはあまりにも大きすぎる。
「…!!??あいつらは…!!」
バガンッ!ババババババッ!!!
さらに大きな音が鳴り響いた後、他の蟲と同じ様に蜂に似た蟲が飛び出した。しかしその大きさは他の蟲より遥かに大きく、ゆうに5倍はあろうかという大きさだった。
「やっぱりか!こいつらあん時の蟲と同種かよ…!」
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