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ブウウウゥゥン…!!
無数の小さな方の働き蜂の様な蟲の1体が下腹部をバードに向け、針をむき出しにしながら突進してきた。
「…!?チッ!めんどくせぇなぁっ!!」
カチリ。
左手中指の指輪を押し込む。
キュィィィン…。
バードの下半身が幾何学模様に赤く光る。
バシュゥッ!
壁からはじけ飛び向かってくる働き蜂との距離を急激に奪う。
ドンッ!
剣のトリガーを引く。剣が赤く燃え上がる。
ズバァッ!
通り過ぎざまに働き蜂の体は二つに引き裂かれた。
キィィン…。
働き蜂の体は甲高い音と共に1本のミタマネに姿を変え、遥か後方へ飛び去ったバードのポシェットに向かって飛んでいき、ポシェット内に吸い込まれた。
「やっぱりたったの1本かよ!」
大きな独り言を叫びながら右手を前方やや斜め上の働き蜂に照準を合わせる。
カチリ。
バシュウ!
右手甲の付け根から赤い閃光が迸る。
ガッ!
「ギギィィィッ!!!」
閃光は見事に働き蜂に命中しワイヤーに姿を変える。
急に人ひとり分の重さがかかり、必死に上空へ向かい羽ばたく。
バードはそのまま振り子のように滑空し、振り切ったところでワイヤーを消し空中に身を投げた。
ダンッ!
先ほどいた建物のちょうど向かい側の建物の壁に着地した。
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