壊れたニセモノ

3/15
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
ドルルッドルッドルッ…。 バードを乗せたバイクが緩やかに停まる。 「よぉ、アルフ、早ぇなぁ。こんな朝っぱらからこんなダウンタウンで朝飯でも食ってたか?」 バードは先に来ていた幼なじみ、アルフに声を掛けた。 「ハンターたるもの、コールがかかればどこにでも飛んで行きますよ、オレは真面目なんでね。月曜の朝だってのに二日酔いのお前とは違っての」 「二日酔いじゃねぇよ、まだ酔ってんだ。でも、ま、酔っぱらいでも余裕だろ?ランクEの上に飛べないタイプブルーの青蟲だぜ?」 バードはバイクを降りメットをハンドルにかける。 「そうだな、ミタマネも大した数にはならないだろう。やっつけだな。でも残念ながらここに来たハンターは今のところオレらだけだ。このまま誰も来ないってオチも大有りだ」 「だろうなぁ、オレだって近所じゃなかったら来なかったよ。っと、言ってる間にあれがランクEちゃんかい」 バードがアゴで指し示したビルの壁に、体長2メール程の蟲が3体へばりついていた。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!