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「ランクEならグレードはバーンで十分だろう」
言いながらバードはポシェットから更に3本ミタマネを引き抜き、今度はベルトのバックルを前に引き出し、剣にあった物と同じ弾装に装填した。
続けて更に4本抜き、左右の手首にある装備品の内側を引き上げ、同様の弾装に2本ずつ装填した。
「壁にへばりついてる蟲ならアルフのクロウよりオレのクロウの方が向いてるだろ。その辺のベンチにでも座ってくつろいでろよ、まだ朝っぱらだ」
「はいはい、好きにしろよ。ヤバくなったら叫べよ、タスケテーッ!てな。親友のオレ様が命をかけて駆けつけてやるよ」
アルフはかなりオーバーな身振り手振りでおどけて見せる。
「そりゃ頼もしいわな」
そしてバードは深く屈伸し壁面の蟲に照準を合わせる。
それと同時に1体の蟲が敵に気付き、無数にある足の1番先頭、一際大きな爪状の足を持ち上げ威嚇した。
「なんだよそりゃ…、待ってろや、すぐ行ってやるからよ」
バードは左手中指にはめた指輪の内側を親指で少し回転させ、カチリと押し込んだ。
その瞬間、バードの下半身に幾何学的な赤い光が走る。と同時に激しく大地を蹴り、バードを驚異的なスピードで打ち上げた。
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