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タンッ。
バードは軽く壁を蹴り、振り子のように宙に体を放り出す。
キリリッ。
左手人差し指の指輪を少し回転させた。
ギュィィー!
軋む様な音と共にワイヤーが巻き取られ、バードの体を引っ張り上げる。
巻き取られたワイヤーは左手甲の付け根の防具に吸い込まれ、短くなった分だけ細かな赤い閃光になって霧散した。
ギュィィィィィー…!
更にワイヤーは短くなり、バードと蟲の距離を縮める。
カチリ…!
左手人差し指の指輪を押し込む。
パッ…!
ワイヤーが根元から外れ、一気に全て霧散する。
ワイヤーが消えてもなお、慣性の力が重力とは反対にバードを引き上げる。
ガッ!
ザシュゥ!
壁への着地と同時に蟲を真ん中から真っ二つに叩き切る。
ズザッ…!
二つに分かれた蟲から体液が噴き出すより早くバードは壁を水平に蹴り、残り1体の蟲目掛け跳ぶ。
ガガガガガッ!
ズバァッ!
壁を少々削り取りながら蟲の腹部を内側から切り払い二つに分ける。
カチリ!
バシュゥッ!
ガカカッ!
左手のワイヤーを足元の壁に撃ち込み、そのままブランとぶら下がった。
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