幼少期~序章~

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そこはまだ、原子だとか、何ウムだとか、何電だとか、そんな面倒くさくて、囃し立てるようなもんは何もない、田園と海が広がってるだけの場所だった。 僕が物心つき気づいた時には、両親と言うものはなく、母親と、姉が1人そして僕とが、田園の中にあるその町1番の大きい団地の五階の一室に居た。 いつ父がいなくなったのか、いつから自分がそこにいたのか、結局僕は、27歳の今まで思い出せてはいない。 海辺のすぐ横にあった、古い大きな家、そこに自分はいたはずだったのだが、子供は変わる環境を楽しむものだ。僕も大いに楽しんでいた。
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