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次の日、いつもの時間に目覚ましが鳴る前に起きる。
仕事は予め有給をとっていた訳だが、なにか損をした気になった。
ふと、ベッドに目をやるとボヤけて人影が写った。洸だ。
僕はメガネをかけて、もう一度目をやった。
大きくはなったが、それは紛れもなくあの洸だ。
また夏の日が蘇る。
バツが悪く洗面所へいき、顔を流す。
慣れないキッチンで朝飯を作り、洸を待った。
味噌汁が煮えてきた頃、洸が僕の部屋から出てくる。
「やっくんおはよー」
少し寝ぼけながら、目があかない様子で、とぼとぼ歩いてきた。
朝ご飯?!と驚いたのは、洸がトイレから帰ってきてからだった。
なにも置いてないダイニングで、地べたに飯を起き、僕らは食べた。
やっくん料理うま!と褒めてくれたので、悪い気はしなかった。
そのおかげで、料理は僕が担当、皿洗い掃除洗濯は妹が、ゴミ捨ては僕がする事になった。
食い終わり少し談笑しながら、仕事の話しをした。
僕がしている仕事、妹のこれからの仕事や、◯電との補償などを話し合った。
話しの流れから昼前に家具屋さんへ行き、一通りの妹の家具を買い、家路についた。
そうして、僕らの初めての家族がスタートした。
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