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そして裏稼業専門の情報屋………あえてこのキーワードは無視させてもらう事にしよう。
俺はこの歳になっても未だ、この手の話や知識に乏しいのだ。
ここでオーナーに聞いたところで理解できないのが関の山。
下手な鉄砲撃つだけ無駄だ。
「で、この街の話、聞くかい?」
情報屋が喋る話。
ましてや裏稼業専門とかいう看板つき。
その手の話や知識に疎い俺ですら、それが聞くだけで危険な内容ではないかと不安になる。
ここは断っておくのが得策と見た。
「聞いてくれてる時間の珈琲くらいはサービスするさ。」
よし聞こう。
「お。聞くのかい?」
珈琲をサービスしてくれるのだろう?
「まあね。」
聞く。
「普通の人なら情報屋の当たりで取り乱したりするんだけどな。薙ノ宮さんは面白い人だね。」
会社の上司にも良く言われる事だ。
「じゃあまずは一杯目の珈琲を入れながら話そうかな。因みにモカ多めのオリジナルブレンド。」
オーナーはそういうと壁にかかっている大型テレビのスイッチを入れた。
リモコンで操作したあと画面にはこの街らしき映像が流れる。音声はない。
「良くいるでしょ。地方の特産品を盛り上げたりとか幼稚園児にゴミの分別やルールを教える地元の人間しか知らないヒーロー。
あの見てるこっちがこっ恥ずかしくるやつ。
この話はこの街の成り上がりヒーローの話。
この街のローカルヒーローの話だ。」
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