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楓
彼女はあまり
喋らない
自分の事は
口にしない
女の子
学校で
噂が流れる
援助コウサイ
子供を降ろした
事がある
歳の離れた男性と
車に乗ってる
姿を見た
そんな
根も葉もない
噂が溢れてた
もちろん全部嘘だ
何度もかかる
非通知電話
見た事のない
アドレスからの
メール内容は
「死ね」
行かなくなる
学校
行けない
学校
楓には
もう先生も
信用出来ない
相談するだけ
無駄だから
話にならない
馬鹿な大人
親も
うるさくは
言わない
楓は
それでも
笑ってた
バイトの
場でも
明るかった
わずかな
給料で買った
可愛いらしい服を
僕に
自慢げに見せる
似合うよ
そう言ったら
抱き付いて
ありがとう。
そう言った
ある雨の夜
泣きながら
楓から電話があった
直ぐに行くよ
僕はそう言った
楓はそんな僕を止めた
来ないで!
大丈夫だから
大丈夫だから
来ないで
楓は電話を静かに切った
ますます激しく降る
雨に僕は不安を感じた
次の日だった
楓は部屋で
首を吊った……
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