愛に託された未来

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真道実のことは正直まだよくわかっていない。 頼りにならない素人が、自分の事を綺麗だと言ってくれたノロマが、龍星の子だったなんて。 自分に一撃も食らわせられなかった少年が、騎士団においてはある種、寓話のような存在だったエーヌを倒しただなんて。 この旅の中でもずっと困惑されることが多かった。 普通の少年のようにふるまい、笑っているのに、時々すごく冷たい表情をする。 そういう顔をしていると、自分では気づいていないのはまだ可愛げとも呼べるが。 インディアンの人々の問題に介入することに消極的だったくせに、彼らがサフラに殺された時は誰よりも取り乱し、鳥肌が立つような怒りと殺意を溢れさせていた。 そして、私と同じく、大切な人を目の前で亡くしている。 それなのに、その思いを言い訳にするなと言う。 結局優しいのか、冷たいのか、よくわからない男なのだ。 よくわからないけど、彼らが人類に牙をむく存在だとは思えない。 それだけはないと言い切れる。 重傷を負って瀕死になっていた自分の手を握ってくれた。 星力を分けてくれた。あの暖かさだけは嘘じゃない。 そう思える。 遠い昔に失った、姉と同じ暖かさだった。 代々の龍星の子の立場が彼らの振る舞いによってもたらされたものならば、実達だってそうであるはず。 懐疑派の連中を黙らせられるのはあんた達自身アル。 キムは処置室に目をやり、今や大切な仲間となった実とブレイブの回復を待った。
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