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何をかわいい子ぶっているんだと、罵られるはず。
仕方なくその汚れた服を脱がすことにした。
黒いタイヤの跡が付着した半被に手を伸ばすと
ガシッ
いきなり腕を掴まれた。
「ひぇ―――」
「俺に触るんじゃねぇ」
地鳴りのような低い声が響いた。
こっこわい。
物凄い強い力で手首を掴まれている。
いっ痛い……
痛いけど声が出ない。
声が喉の奥に引っ込んでしまった。
恐る恐るその急患の顔に眼を向けた。
瞳が開かれたその顔は思った通りカッコイイ。
切れ長で鋭い光りを放つ漆黒の瞳が私に向けられていた。
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