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「ごっごめんなさい。起こしちゃったね」
顔が変な方向に引き攣っている。
ヒクリヒクリとちゃんと笑えない。
「ここは?」
幾分柔らかくなったその声。
「あっここ?ここは病院。M総合病院」
「もしかして、俺……気失って運ばれた?」
鋭い眼光が消えて、緊張が取れたみたいだった。
「うん。だから、服を着替えなきゃね」
「なんで?」
「ほら、この服タイヤの跡が付いているし」
骨折をしている為、包帯の下にはコルセットが巻かれていて起き上がることが出来ないのか、視線だけをこちらに向ける。
「クソ~あの野郎。本気で俺を轢きやがった」
顔を顰めて、悔しそうな顔をした。
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