初めての夜間勤務で

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「もう、正田のおじいちゃん。病室間違えちゃダメでしょ。正田さんは406号室だからね」 「へぇ?」 少し惚けた顔で殺風景な病室を見渡し 「あ~。間違えたぁ~」 そう笑ってベッドから降り病室から出て行った。 「は~。びっくりした」 ため息を付きながら、急患が入る準備に取り掛かった。 急患はベッドごと運ばれてくるので、部屋の中のベッドを病室の外に出す。 病院指定のパジャマと患者の身体を拭く為の熱々オシボリを用意。 準備万端。 ガラガラガラ 廊下から急患が運ばれてくる音が聞こえた。 すぐさま病室のドアを全開にする。 初子先輩が救急患者の寝ているベッドを運んできた。 「神崎さん、後はお願いするわ」 「はい」 救急処置室で応急処置を受けた患者は既に点滴で繋がれていた。
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