宮瀬 龍輝 みやせ たつき

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『これが悪魔の力です!』『おおー!!』 嘘っぱちめ... 『まさに魔法ですね』 そんなものこの世に存在しないから。 俺は観ていたテレビの画面にそう吐き捨て電源を切った。 どうも液晶画面に向かって文句を言う癖があるようで家族会議で指摘されたうえに部屋で独りブツブツ言っている光景はいつ浮かべても笑えなかった。しかし直そうとしてもなかなか直らないのが癖であって諦めの良い俺は半ばどうでも良かった。 だってそれが俺、宮瀬龍輝だから。 自分を偽る事こそ愚の行いじゃないか。だから教師も俺が堂々と課題を忘れた件についてはむしろ俺の正直さを褒めるべきだ。
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