第一章 ただのヤンキーですけど?

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俺は血のついた手をティッシュペーパーで拭うと、倒れていた仲間に声をかける。 「おーい、野郎共、帰るぞー」 「……ん、んぁ……そ、総長!?」 仲間たちは次々と起き上がり、俺を見て驚く。 「な、何でここに!? 明日は高校の卒業式じゃなかったんですか!?」 「あー、そういえばそだったな、今から帰って準備しねぇと」 すでに時刻は深夜の11時、少し眠い。 「よし! そうとなったら早くここを出るぞ!」 俺は勢いよく倉庫のドアを蹴破ると、俺のバイク『ブラック・クロウ』に跨がる。 闇に溶けてしまいそうな程の漆黒。 黒光りするその車体は、俺と共に闘い続けた友である。 ブォンブォン! よし、今日も最高の乗り心地だ! 「いくぞ野郎共!!!」 『オッス! 総長!!』 俺たちはバイク音を響かせて大通りへ続く道へ走り出した。
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