第一章 ただのヤンキーですけど?

7/13
前へ
/311ページ
次へ
── 『オキテ!オキテ! オニーチャーン!』 バスッ! 俺はアニメ声で音を出す時計を叩く。 「ったく、なんパターン入ってんだ? この時計……」 ダチからもらった物だが、アラーム音だけがおかしい。 あいつの趣味が満載だ、ツンデレもあればセクシーなお姉さんの声も出る。 これで手作りっつーんだからすげえよな。 「ふわぁーあ、……卒業式か」 高校を卒業したら家を出なければならない。 とりあえず手紙に書いてある住所に行ってみる予定だ。 「ま、とりあえず学院が先だな」 俺は立ち上がると準備をするため部屋を出た。 リビングに降りると親父の私物はほとんど無くなっていた。 母親が亡くなってから俺を男手一つで育ててくれた親父。 仕事が決まったら手紙でも送るかな。 俺は制服に腕を通すと、『シルバー・ウルフ』初代総長の証である黒に銀色の狼の刺繍が入った特効服を羽織る。 ちなみに幻海学院は制圧済みだ。 家を出て、バイクに跨がりヘルメットを被る。 「さぁ、出発だ」 俺は1人呟くと猛スピードで学院の道へ向かった。
/311ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1761人が本棚に入れています
本棚に追加