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「…………」
そこには少女
少々露出の目立つ服を着た少女が地面を見ている
「水……くいもの…………」
その目の先には青年
何故か右腕が地面に埋まり、仰向けに倒れている青年がいた
「……厄介事は御免よ」
直ぐ様少女は青年に背を向ける
が──
『生命レベル限界値』
「!?」
突如響く事務的な女性の声
しかし、周りには人影どころか動物、虫さえ見当たらない
『危険・危険・危険』
「……何処から?」
『メディカル・チェッカー・現状デノ処置・不可・不可・不可』
「…………???」
声は途絶えたが、少女はある場所を見据える
それは布で巻かれた、不自然に盛り上った青年の左腕
「もしかしてコイツは……」
ガサゴソと青年の腕に巻かれた布を剥いでいく
中から出てきたのは……
「<終末人>!」
文字が浮かび上がっている緑色に光る鏡
それを見た少女は顔色を変えた
「これ!これを飲んで!」
「ん…………」
青年の口へ、竹筒に入った液体を流し込む
微かだが、青年の喉が動く
「ほら……大丈夫?」
「……う……」
青年は小さな呻き声を上げ、動かなくなった
と同時に腕の鏡から声が出る
『危険度レベル低下・休息ガ必要・注意・注意・注意』
「は、運ばないと……!」
少女は動きを止めた
気配を上手く隠しながら、近くを何者かが動いている
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