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「ハチャメチャ日はまだあるの?」屋上で私は聞いた。ハチャメチャ日は私達と北村がケンカをする日。
「もうやってない。秋達が卒業してからやめたんだ。他のことをやってるけど」日の暮れてきた空を見つめながら北村は言う。雪花のことを考えているのかな? 「私そろそろ帰るね。夕飯作らないと」
「そっか。門まで送るよ」 あの頃とは違う。それが悲しかった。
思い出の水場の横を通り、20人で泊まった部屋の前で思わず立ち止まった。でも何も言わなかった。
「じゃあ。身体大事にしろよ。元気な赤ちゃん生んでね」
「ありがとう」
「来てくれてありがとうな。嬉しかった。流瀬(ながせ)たちは今日外に出てるんだ。会えたらすごく喜んだと思う」
流瀬先生たちにも会いたかった。
愛しいみんなに。
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