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「うん」 そう言って雪花は笑う。 「たくさん恋をして、泣いて、笑って、傷ついて、色々ある。秋も恋をしたのね。元気な赤ちゃんを生んでね。応援してる」 「ありがとう。会えて良かった」 涙がこぼれた。 雪花は私を抱きしめた。 「また来るわ」 雪花は病室を出て行った。 私は少しの間呆然としていた。「びっくりしたよ。次々来るから」 悟(さとる)がことこまかに話してくれた。 夏美ちゃんがみんなに電話をかけてくれたのだという。学生の頃とは違うから全員とつながるにはかなり時間がかかったそうだ。 最初に北村がとんできた。「秋は!赤ちゃんは!」と叫んでいたという。 次に女の娘2人が走ってきて私の名前を呼んだ。 美月と波子だった。 少しすると千鶴が来て、私を見つめていた。 その後、流瀬とりえが来て、流瀬が大騒ぎしてりえに怒られた。 それから萩野が来て、容態を聞いた。 雪花ちゃんはいないと思った、と悟が言った。 「うらやましいよ。あんなに愛されてるなんて」 「うん」 私は頷く。 「みんなには感謝してる。来てくれるなんて思わなかったから目が覚めた時びっくりした。だってみんな忙しいのに」 「北村先生のこと好きだっただろ」 思ってもいなかった言葉に、悟の顔をみつめてしまった。
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