Chapter.1

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威厳ある男性は舞台に立ちしばらく無言であったが、辺りを見回してから口を開いた。 「それではこれより、皆に試験を与えよう。 何故かわからぬようだから簡単に説明するとこの入学式の前に行われた試験はあくまで仮試験にすぎないのじゃ」 そう言ってここで言葉をきって一息ついてからまた話し始めた。 「今、この場には君たち新入生が735人おるのじゃが、一学年にしては多すぎるという訳で毎年この様な試験を行うことになっておるのじゃ」 そう言って男性は説明した。 「おい、どういう事だよ?ちょっと前にやった試験が仮試験で今この場でやるのが本試験って! じゃあその試験でダメだったらどうなるんだよ?」 カイトは動揺しているのか若干早口になりながら隣にいるエレナに話しかけた。 「どっどうってそんなの落ちたら入学できない事になるんじゃないかしら? でもわたしたちは一応特待生枠に入ってるんだから大丈夫だと思うから自信持ちなさいよ」 エレナも少なからず驚いているのかカイトに返事を返した すると壇上のいる男性は再び口をひらいた 「試験は至って簡単今から儂が出す『気』に負けずに気を失わなかった者が晴れてこの学園の生徒となることができるのじゃ。 …それでは始めるかの」 そう試験の説明をして一度目を閉じた 「もっもう始まるのかよ!?心の準備がまだッッ!!」 カイトがそう言っていると突然男が放った『気』に圧されかけたが、なんとか耐えているようだ そしてエレナも苦い表情をしながら耐えていた。気をぬけば簡単に気を失ってしまいそうな感覚に陥っていた
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