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誰!?
今、私の目の前に居る男は……
悠々と足を組み見下すように私を見ている、この男は……
「で、涼子さん昨日の返事は?」
声色までどこか挑発的で、顔つきも明らかにいつもとは違う。
「あなた本当に間宮くん?」
同じ顔をしているのに、まるで別人のような男に恐る恐る確認する。
「何言ってるの、当たり前でしょ。失恋のショックで俺の顔まで忘れちゃった?」
少し馬鹿にしたように鼻で笑い、呆れたように訊ね返しながら私の頭を軽く二度叩いてきた。
「ちょっと!頭を叩かないでよ」
私は苛立ち気味に男こと間宮くんの手を振り払い睨みつけてやった。
――悲しいけど、これが今の私にできる精一杯の抵抗だった。
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