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――…
―…
「ねえ、涼子さん。めっちゃ寒いんだけど……」
「だから、いつまでもそんなところにいないで帰ればいいじゃない」
あれから経過すること十数分。
何とかドアの向こうに追いやったはいいが、靴先だけしぶとくドアの間に挟まっている。
何とか追い出そうとドアの間に挟まっている間宮くんの靴を蹴ってみるが、ビクともしない。
それどころか隙をついて、どうにか部屋に上り込もうと試みる始末。
「本当に寒いんだってば」
どんなに懇願されても、こればかりは聞き入れるわけにはいかない。
「寒いんなら早く帰ればいいでしょ?」
寒いのは私だって同じ。
あんなに楽しみにしていたおでんは、すっかり冷えてしまっているだろう。
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