人間と魔族と恋心

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仮に僕が恥ずかしい事を基本的に考えている人間だったとして、だ。 それを僕自身が直すことが出来るのだろうか。 僕としては普通の事だと思っているしそもそもそれはルゥが可愛いからであって。 だから今僕の目の前で顔を青ざめて震えているルゥも可愛いなって…ん? 青ざめている? 「きゅ、キューちゃん!?」 「えっ?」 僕に向かって、いや僕の後ろに叫ぶようにルゥが口を開く。 後ろを見てみれば僕をここまでクチバシに挟んで運んでくれたグリフォンのグーリーが。 巨大食虫植物ことキューちゃんを今にも食そうとしていたのでした。 「ちょっと!あのグリフォンアンタに懐いてんでしょ!?早くどうにかしなさいよ!」 「うわわグーリー!駄目だよ食べちゃ!早くペッしなさい!ペッ!!」 「キューちゃんを汚いものみたいに言わないでよ!」 「今そんな事言ってる場合じゃないでしょ!そもそも何でキューちゃんがあんな状態に…」 「そりゃアンタが決闘の申し込みみたいなのした時に後ろから奇襲をしかけてやろうと思ってキューちゃんが地面から出てきたに決まっているじゃない」 「あれ?さらっと今怖い事言わなかった?って言うかそれなら…グーリー、キューちゃんは大丈夫だから離してあげて」 『……クエェ』 僕のお願いを聞いてくれたグーリーはキューちゃんをそのクチバシから地面にそっと降ろしてくれました。 それと同時にキューちゃんはその屈強なツタを2本伸ばして地面を掻き分けて潜っていく。 「……ねぇ、ちょっと」 僕の後ろに隠れこむようにルゥは僕の服の裾を掴みます。 あ、ルゥって良い匂いする。 「あの、グリフォン…キューちゃんがいなくなってからアタシをずっと睨んでるんだけど。……食べないわよね?」 「えっ?あ、グーリー!ルゥも大丈夫だから安心して!それと、ここまで運んでくれてありがとね。また帰る時に呼ぶから」 『クエェェェ!』 ビリビリと皮膚に纏まりつくような咆哮。 それが終わるとグーリーは大きな翼を広げて空へと飛び立つ。 「……何なのよあのグリフォン」 「グーリーだよ」 「……じゃあ何なのよアンタは」 緊張の糸が切れたようにルゥはその場にしゃがみこんで。 僕も苦笑いを浮かべながらその隣に座り込んだ。
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