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「……命令違反は銃殺刑」
呟くように一人の女からはっせられた言葉は、皆を黙らせるには充分だった。
「No.1、お前……!」
「フィオネも中々嫌なことを思い出させてくれるねぇ」
「所詮私達に、選択の余地は残って無いんだね……」
そう、彼らが所属しているのは軍の中でも底辺。
軍への不適合者ばかりが集められた、特殊遊撃部隊とは名ばかり、捨て駒のような部隊であるのだ。
沸き立つ隊員達だが、隊長が咳ばらいすると再び静寂が訪れた。
「……フィオネの言うことは真実だ。そして皆、こんな所で死ぬ訳にはいかないだろう。……だから俺と共に、皆で生き残るという道を作ってはくれないか?」
その声に声を上げて答える者は居なかったが、やがて皆の瞳に覚悟の色が現れるのが見てとれた。
「……ありがとう。それっは我が隊はこれより、旧ポーランドに向かう。皆、気を引き締めて行こう」
「「了解!」」
そして一行は、旧ポーランド、現帝国領への道を歩き出した。
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