第一章

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私のあまり上手とは言えない説明を、少年は真剣な顔をして聞いてくれる。 「……だから、こうなるの」 「そうだったんだ。ありがとう」 少年の自然な笑顔を見たとき、私は思い出した。 確か少年は授業で今私が教えたところを当てられ、スラスラと答えていた。 少年は私が悩んでいることに気づいてたんだ。 気づかないうちに小さく笑い声が漏れていたらしく、少年は少し不思議そうな顔をしている。 この少年は、器用なのか不器用なのか……。なんで当てられたところを……。 不思議そうな表情の少年に、私は自然となった笑顔で言った。 「ありがとう」
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