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教室まであと階段を降りるだけだと言うのに…噂をすればナントやらってやつ。
私達の目の前に元彼が同級生と思われる女のコと並んで楽しそうに階段を上がってくるではないか!…最悪。
「…ぁ」
私と元彼の目があった瞬間、どうしていいかわからず手が滑ってプリントを落としてしまった。
「…ごめん…」
私はドギマギしながら拾い始めたけど彼はそのまま私の横を通り過ぎて行ってしまった。
『何やってんだよ。早く忘れたらいいじゃん』
小林は私の顔を見ずに落としたプリントを拾い始めた。
「関係ないでしょ。それよりも早く拾わないと…ってなんて事してんのよ!」
小林は自分の持っていたプリントをその場にばらまいてしまったのである。
『我慢するのやめたら?彼氏の事』
「な、何言ってんの?別に…彼氏なんていらないし」
私が邪魔な髪をかき上げた時、小林の手が私の手首を掴んだ。
「なっ、何!?」
初めてコイツが恐いと感じた。
『その我慢するとき髪をかき上げる癖やめろ。見てて苛々する。我慢しないで泣けばいいじゃねぇか』
その言葉に私は逃げ出したい衝動にかられて小林の手を振り払い、アイツの顔も見れぬまま走った。
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