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ー新撰組屯所 門前ー
葵が帰り着くと、原田以下、数人の隊士達が、何故か忙しなく動いていた。
葵
「只今、帰りました………。あの、何か………あったのですか、兄上?」
葵の声に弾かれたように振り向いた原田が、渾身の力で、葵を抱き締めた。
原田
「あぁあ、俺の葵ぃ、無事で良かったあぁッ!買い出しに出たって聞いて。帰りが遅いから、何かあったんじゃないかって、もう兄様は、心配で×5」
原田の馬鹿力で、ぎゅうぅっと抱き締められた葵が、酸欠でグッタリした。
それを見て、十番隊の隊士達が、真っ青になって、慌てて止める。
隊士 一
「はっ、原田組長オォォーッッ?!紫月さんが、死にます、組長オォォッ!!」
隊士 二
「いやいや、ホントにマジでッ!紫月さん、青くなってますって、組長ッ!!」
漸く、葵を離した原田。一気に酸素を吸い込んで、葵が噎せながら、言った。
葵
「……ごほっ、げほ、ごほ。兄上は、私を殺す気なのですか?げほっ、確かに、帰りが遅くなったのは、申し訳なく思っておりますが……………。」
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