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原田の葵への『溺愛』は、留まることを知らないらしい。いつも、いつでも、『葵至上』なのは、変わりようがないのだ。
??
「………いつまで、門前で、騒いでやがんだ。……………無事だったか、葵。
ったく、てめえの帰りが遅いってんで、原田が騒ぎ出すから、この始末だ!ちったぁ、気、使えよ?」
やはり、冷淡な態度の土方。葵は慌てて頭を下げた。今以上、『土方の不興』を買うのが、怖かったのだ。
葵
「すっ、すすすみません、副長!買い出しの途中で、何度か絡まれてしまって……………。」
まさか、『吉田に逢った』などとは言えない為、そう言った葵。そもそも。『絡まれた』のだって、嘘じゃないし………。
原田
「んなッ、何だってえぇっ?!そ、それで、大丈夫だったのか、葵!変なことされなかったかッ?!」
ードカッ、ゲシッ
葵の言葉に、狼狽する原田。それにイラッとしたらしい土方が、原田に見事な蹴りを入れた。一応、多少の『手心』は加えてある。
葵
「きゃ?!ひ、土方副長、何をなさっておいでですか?あの、兄上………大丈夫、ですか?」
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