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しかしながら一つ、この方法には問題があった。
「あ、暑い…。」
あれ程に巨大なフライパンを扱うには、それに対応出来るぐらいに強力な火力が必要になる訳で。
あっという間にフライパンの周りの温度が上昇、思わずチルノはその場から離れた位置に移動していた。
しかし氷太はそうはいかない。
「…結構キツいかも…。」
そう言いながら氷太は懐から一枚のカードを取り出し、それに霊力を込め始める。
「…出来た。『【邪氷】黒氷の鉄槌 纏』!」
氷太が発動したスペル。
それは本来、黒氷の龍を呼び出す為のスペル。
それを悪魔と対峙した際に黒氷の龍を身に纏う術を覚え、それをスペルにしたものなのだ。
「…これなら…少しはマシかな…。」
黒氷の鎧を身に纏い、更に冷気で熱を軽減する。
そして失っている腕には氷で作り出した龍の腕が。
そして更にそれを巨大化させる。
「…小傘さん。食材を…お願いします。」
「う、うん!氷君…あんまり無理しないでね!」
氷太は、本当はチルノに頼みたがったが…この熱では無理。
若干不安だが小傘に頼む事に。
『これは…凄い事になってきましたね。』
『色んな意味で会場が温まってきましたね!』
ガシッ!
っとフライパンの柄を掴む。
その瞬間、氷太の目は真剣で鋭い目に。
そして…氷太はフライパンを振るい始めた。
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