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一方の氷太は…少し厳しそうな様子だった。
暑さで声を出す余裕がなくなってきたのだ。
その為、小傘に指示を出す際には鎧を纏った時に作り出した尻尾を使って指示を出していた。
しかし声がない分、小傘の動きは更に悪くなっていた。
「こ、これ?ち、違うの?じゃあ…これ…あ…あぅ…。」
『あやや…ここにきて動きが…大丈夫なんでしょうか?』
『ちょっと心配ですね…おや?』
『どうしました?』
『…真打ち登場です。』
「氷太!手伝いに来たよ!」
ここでチルノが登場。
小傘の代わりに動き始める。
「チ、チーちゃん!?こんな暑い場所にいて大丈夫なの!?」
そう言ってチルノを心配する小傘。
勿論、氷太も同じ事を考えていたらしく、目でそれを訴えかけていた。
「ありったけの冷気を纏ってきたから少しなら大丈夫!それより早く完成させちゃおうよ!」
『なんとこの暑さが充満する場にチルノさんが登場!これは大丈夫なのでしょうか!?』
『これは更に不安に…いや…これは…逆に動きがよくなってますよ。』
『た、確かに!』
暑さの問題があるものの、普段セリアの手伝いをしていた事があるチルノにしてみれば、指示さえあればその通りに動くなど朝飯前。
氷太が尻尾で指示を出す前に、目線の先を見て動いている。
それはまるで、言葉を交わさなくても意思疎通が出来ているようにも思える程だ。
「よっと!小傘!ぼ~っとしてるならアタイがとりやすい場所に食材を持ってきて!」
「う、うん!」
『これは凄いですよ!あっという間に調理が進んで行きます!』
『そして…一旦ご飯を皿に乗せましたね。』
『代わりにフライパンには卵が投入されました!いよいよ最後の仕上げです!』
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