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今日も会には見慣れた人しか来ない――そう思っていたけれど、今日でそれも覆るらしい。
今気付いたばかりだけれど、部屋の隅の方で、顔の良い男の子が座っていた。見覚えのない子だから恐らく新入りだ。
私は彼に興味を持ち、女子との話を中断し、彼の元へ向かった。向かうと言っても2m程の距離だけど。
「ねぇ――新入り?私は美紅って言うんだけど、お前は?」
彼の元へ着くのと同時に、私はそう彼に問いかけた。それに気付くと、彼はつまらなそうな顔をやめ、キョトンとした顔になった。年下かな?何だか背が小さいや。
「まぁ、新入りです。名前は霧人といいます」
離しかけてくれてありがとうございます、と付け加えると、彼は深く頭を下げた。敬語を使ってるしやっぱり中学生かな?
なら、緊張を解くのも私の役目かも!
「ふふ、緊張しなくて良いんだよ?タメ口で良いよ」
先輩らしく堂々とした態度で言った。すると彼(霧人。呼び捨てでいいのか?)は、
「ありがと」
ぎこちなくそう言った。
その後も何回か質疑応答を繰り返して、少しは緊張も解いてあげられたかな?と、自己満足に浸る。
浸るって程でもないけど、それはおいといて。
話してみると意外にも明るい性格で少し驚いた。
後輩としての意味だけど、少し可愛いな、と思い始めた。
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