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教師は驚いた顔をしていたが、何も言わずそのまま授業を再開。
そのときの顔が滑稽で、俺は内心笑いが止まらなかった。
授業はとくに何事もなく終了。
それと同時に鈴が俺達の席の近くまでやって来た。
「優君、さっきのどうしたの?」
さっきのとは間違いなく、教室に入ってきたときの様子のことを言っているのだろう。
あれは普段の優の行動からはありえないことだ。
「いつも怜がやってるから真似してみただけ」
優は笑顔でそう言いきった。
意味などない、と。
俺はそうは思わないが……
まったく……優は本当にお節介だ。
「ふーん、そうなの?」
鈴はあまり納得していなそうだが、とりあえずは了承したようだ。
「改めて、優君、怜君、おはよう」
「おはよう」
優は挨拶を返したが、俺は相変わらず軽く手を挙げるだけ。
これがいつもの日常で、鈴も笑顔で、不満な様子はない。
その後もいくつかの授業をこなして、放課後になった。
いつものように優と鈴と一緒に部室に向かう。
部室は6畳ほどの大きさで、ロフトベッドがあり、その下はソファになっている。
部屋の中央には長机があり、その両側にパイプ椅子が2脚ずつ設置されている。
さらに、長机の端にはテレビまである。
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