2/21
前へ
/303ページ
次へ
sideレイ 何ということもない日常。 いつもと同じように学校に来て、いつもと同じように授業を受け、いつもと同じように家に帰る。 そこに不満があるわけではない。 実際には完全にいつもと同じというわけではない。 細かく見れば、変化のない日々なんてのはありえない。 昨日は朝、6時13分に目が覚めたけれど、今日は5時57分に目が覚めた。 そんな些細な変化ならばいくらでもある。 世の人はこれを変化として認めることはないだろう。 けれど、その程度の変化でも俺は不満に思ったことはない。 これはこれで立派な変化であり、この小さな変化が後にもたらす影響は必ずあるだろう。 それを予測し、実際に体験することもまた面白い。 だからといって、この生活に満足しているわけでもない。 所詮変化は予測の範囲内。 予想外のことが起きるなんてことはほとんどありえない。 小さな変化によって生じる変化に多少の違いはあれど、小さな変化であることには変わりない。 俺は小さな変化を集めて、人生を楽しめるような性格をしているわけではない。 結局のところ、俺は今の生活に何も感じていないのだろう。 不満も、満足も感じることはない。 ただ淡々と毎日を生きている。
/303ページ

最初のコメントを投稿しよう!

377人が本棚に入れています
本棚に追加